【すし手帳】いか・たこ >
みずだこ


ミズダコは、雄の体長が3mにも達する世界最大のたこ。その怪物的な全身像に比して握り姿の清楚なこと。
純白の身はやわらかく、噛むほどに甘さが増してくる。丸ごとコラーゲンといえそうな、透明なゼラチン質のふくよかさ。皮と一緒に剥いで身だけを握る店もあるけれど、たっぷりのゼラチン質こそミズダコの命。「皮もつけて」と注文したい。身はマダコよりゆるくやや水っぽいものの、ゼラチン質ゆえに「ミズダコのほうが好き」な人も少なくない。ところが本場の北海道(写真も)ではミズダコを「まだこ」と称するから、注文の際はご用心。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003055 |