【すし手帳】白身など >
すずき


古代から食べられ、尾翼鱸の名前で『古事記』にも登場する、日本人になじみ深い魚。わずかに皮目を残した握り姿(写真は常磐産)は、古名の「筋雪」そのままに純白・透明で美しい。
張りと弾力がありながら身はやわらかく、風雅な甘さを秘めて、匂いや臭みはまったくない。繊細さに似合わず滋養に富んでいて、真夏の栄養補給にぴったり―ということで、徳川将軍家の食膳にも登場している。
江戸前で、験のいい出世魚で、活魚でも多く流通する、真夏が旬の魚。ウナギなぞと暑苦しいことをいわず、夏はスズキで涼しく粋に乗り切りたい。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003012 |