渋滞④
【じゅうたい】
見えなくても渋滞していることがなぜわかる?
道路交通情報で欠かせないのが渋滞情報である。交通情報は、道路の渋滞状況を伝えるためにあるといってもよいほどだ。ドライバーは渋滞情報を聞くことによって、出かけることを控えたり、日時をずらしたり、あるいは経路を変更したりして渋滞を回避しようとする。渋滞情報で渋滞そのものを解消させることは難しいにしても、緩和させることはできる。そして何よりも、渋滞情報はドライバーのイライラを和らげるという効果がある。
予想もしていなかった渋滞、解消予測の立たない渋滞が、ドライバーを最もイライラさせる。渋滞による苛立ちは、事故を誘発させる原因でもある。
では、ニュースの発信元ではなぜ渋滞していることがわかるのだろうか。交通情報が開始された当初は、ヘリコプターやパトロールカーなどによる直接目で見た情報しか提供できなかったが、情報収集の方法も年々高度化している。現在は超音波や光ファイバー、紫外線などを使って渋滞を調べている。要するに、道路に一定間隔ごとに設置した車両感知機で情報を収集し、それを一旦交通管制センターに送る。そこから道路情報として、ラジオやテレビを通して発信しているのである。
感知機は渋滞箇所や渋滞の長さばかりではなく、コンピューターを使ってスピード判定もしているので、目的地までの時間予測もできる。幹線道路上に設置された道路情報の電光掲示板に、主要地点までの所要時間が表示されたりしているが、その正確さに驚いた人も少なくないだろう。可変的な車の流れでありながら、所要時間をほぼ正確に伝えることができるのは、刻一刻と変化する道路状況を車両感知機が察知し、その情報をコンピューターで処理しているからである。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060101 |