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道と路がわかる事典2章 国道・高速道路の雑学 >

高速道路
【こうそくどうろ】

世界と日本の高速道路の始まりはいつ?

鉄道の発祥は一九世紀前半のイギリス。江戸時代には、すでに地下鉄まで走らせていたという。道路においてもイギリスは先進国であった。何しろ日本の道路が、まだほとんど未舗装だった時代に、イギリスの道路はほぼ一〇〇%の舗装率を誇っていた。
しかし、世界で初めて高速道路を走らせたのはイギリスではない。それまでは決して道路整備進んでいる国とはいえなかったドイツで、世界初の高速道路が誕生したのである。ドイツが高速道路をいち早く建設した背景には、第一次世界大戦での自動車の活躍があったからだという。一九三三年、独裁者ヒトラーが政権につくと、アウトバーン高速道路)の建設計画を推し進め、第二次世界大戦前には三八五九kmの高速道路網を完成させたのである。戦争での痛手は大きかったが、一九五〇年頃から再び高速道路の建設に着手し、世界をリードした。東西分裂後の西ドイツが飛躍的な経済成長を遂げたのも、高速道路の存在が大きかったといわれている。
ドイツに続いて高速道路を建設したのがアメリカで、一九四〇年に完成したペンシルベニア州のターンパイク皮切りに、高速道路時代に突入、目覚しい発展をみせた。世界一の道路先進国だったイギリスは、高速道路では一歩遅れをとった。イギリス本格的高速道路が建設され始めたのは、一九五七年以降のことだった。今では、産業の発展に高速道路不可欠だというのが常識となり、先進国ばかりではなく発展途上の国でも、高速道路が建設されつつある。
一方、日本の道路事情は欧米諸国に一歩も二歩も遅れをとっていたものの、昭和四〇年代あたりから本格的高速道路時代に入り、今では北海道から九州まで、高速道路が各地で開通している。
日本最初の高速道路は、名古屋と阪神地区を結ぶ名神高速道路である。一九六三(昭和三八)年七月、まず尼崎―栗東間七一・七kmが完成し、高速道路時代の幕開けが告げられた。また、尼崎から栗東までのルートを見ればわかるように、政令指定都市でこのコース上にあるのは京都市だけ。古都京都が、政令指定都市で最初に高速道路の走った都市だったのである
時速一〇〇kmで車が疾走する道路の誕生は、一大ニュースとして世間を沸かせた。新幹線開業の一年前のことである。列車を尻目に超スピードで走るのは、さぞ痛快であったろう。北海道や九州からも、多くの車やバスが、高速道路を走るためにやってきたという。
昭和四〇年には、名神高速道路の全線が開通。それまで五、六時間を要していた名古屋―大阪間が、わずか二時間で結ばれるようになったのである。四年後の昭和四四年には、東京と名古屋を結ぶ東名高速道路も開通し、日本の陸上交通を担う物資輸送の大動脈として貢献してきた。
開通当初は陸上交通の花形としてもてはやされた東名、名神高速道路も、今や充分な車間距離がとれず、パンク寸前の状態。玉突き事故も多発するようになった。高速道路にもバイパスが必要になってきたといえよう。




日本実業出版社 (著:浅井 建爾)
「道と路がわかる事典」
JLogosID : 5060027


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:浅井 建爾
価格:1,620
収録数:255
サイズ:18.6x13.4x2cm(-)
発売日:2001年11月
ISBN:978-4534033154

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