国道の階級
【こくどうのかいきゅう】
一級国道と二級国道はどう違う?
国道の路線番号は一号から五〇七号まであり(平成一二年現在)、高速道路と区別して一般国道と呼んでいる。しかし、かつては一般国道も一級と二級に区別されていた。河川に一級河川と二級河川があるのと同様である。
大正時代に制定された道路法では、道路は国道、府県道、市道、町村道の四種類に分けられていた。それが戦後の昭和二七年に道路法が改正され、一~四〇号までの一級国道、翌年、一〇一~二四四号までの二級国道が制定されたのである。
一級国道は、国の骨格を形成する最重要路線として、東京日本橋を基点に、一番から順に番号がつけられた。東京と大阪を結ぶ路線が何といっても日本の大動脈であり、一号に指定された。大阪から西へ進んで北九州までが二号、北九州―熊本―鹿児島間が三号、四号は東京から北へ進路をとり、青森までの旧奥州街道に沿った道路が、五号は函館―札幌間が指定されて、ここまでで日本列島をほぼ縦断。
さらに六号は東京から水戸経由で仙台まで。日本海側にまわって新潟―青森間が七号、八号は新潟―京都間、九号は京都―松江―下関間、一〇号は北九州―宮崎―鹿児島間と、日本列島を一周する形で一級国道が設けられたのである。二級国道は、一級国道に準ずる主要な道路として、青森―秋田間の一〇一号を皮切りに、三ケタの路線番号で表わされた。
ところが、昭和四〇年代に入るとモータリゼーションの到来によって、自動車交通が目覚ましい成長を遂げ、道路の様相も一変した。大都市およびその周辺では、一級国道を凌ぐような道路が相次いで建設されはじめたため、もはや国道にランクづけをすることが、困難かつ無意味なものになった。そこで道路法を改正して、昭和四〇年に一級と二級は一般国道として統合されることになったのである。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060016 |