国道の欠番
【こくどうのけつばん】
国道の欠番はなぜできた?
一般国道には一号から五〇七号までの路線番号がついているからといって、五〇七本の国道が張り巡らされているわけではない。欠番があるのだ。なぜ欠番ができたのか。その最大の原因は、道路法の改正で、一級国道と二級国道が一般国道として統合されたことにある。
本来なら統合された時に、路線番号を整理し直す必要があったはずである。しかし、それには莫大な費用を要する。それに、せっかく長い間慣れ親んだ路線番号が変更されるとなると、トラブル発生の恐れがあるばかりか、市民生活にまで影響を及ぼしかねないと考えたのだろう。道路法が改正され、一級、二級の区別がなくなってからも、路線番号は変更されることなく、引き続いて今までの路線番号が使用されることになった。
つまり、一級国道であった二ケタの路線番号の、五九から一〇〇まではそのまま空白とし、新たに誕生する国道は、三ケタの番号がつけられていったのである。
欠番ができたのは、以上のような一級、二級の統合が最大の理由だが、そればかりではなかった。全国で市町村の合併が盛んに行われているように、国道においても合併、すなわち統廃合が行われたのである。その結果として欠番ができたのだ。
たとえば、東北地方にあった国道一〇九号は、一〇八号に統合されて消滅し、一一〇号は四八号に、一一一号は四五号にそれぞれ組み込まれた。また、九州にあった二一四号、二一五号、二一六号の三路線が合併して、五七号の幹線道として生まれ変わった例もある。このように、一号から五〇七号までのうち、四九路線が欠番になっている。また、路線番号はついているものの、肝心の道路がまだ設けられていない新設予定の国道もある。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060018 |