【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 霜月
鞴祭
【ふいごまつり】

「お火焼きや霜うつくしき京の町」(与謝蕪村)。一一月には各地の神社で、「御火焚・御火焼」と総称される火を焚く神事が行なわれ、風呂屋・湯熨屋などの火を扱う商売の家では、庭火が焚かれる。一一月八日(もとは旧暦一一月八日)は、鍛冶・鋳物師など鞴を使う職人たちの祭日である。古くからこの日は仕事を休んで鞴を清め、神酒、ミカン、赤飯などを供える風習がある。京都・伏見稲荷の鞴祭がとくに有名である。
鞴は革袋を使って送風したフキガワ(吹き皮)が語源。箱鞴を大型化した足踏み式のものは踏鞴といい、鞴祭は踏鞴祭とも呼ばれる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040186 |