【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 霜月
酉の市
【とりのいち】

酉の市は武士の信仰から始まった
一一月の酉の日に、各地の鷲・大鳥神社で行なわれる祭礼。最初の酉の日を一の酉、次を二の酉、三番目を三の酉といい、昔は三の酉まである年は、火事が多いといわれた。
鷲神社の本社は大阪府堺市にある。ヤマトタケルは死んでから白鳥となり、その降り立った地に神社が建てられたと伝えられる。東京近辺にあるのは末社だが、武運の神として江戸時代には武士の参詣が多くなり、のちに商売繁盛の神として、江戸町民たちの信仰を集めるようになった。福をかきいれるという意味で、酉の市では縁起物の熊手が売られる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040187 |