【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 長月
星月夜
【ほしづきよ】

天の川、流星などとともに秋の季語。空気の澄みわたる秋は、満天の星空がとくに美しい。天武天皇の代の六七五年に、日本初の占星台(天文台)が建設された。『日本書紀』によれば天武一三年(六八四年)一一月はやたらと流星が多く、「天文悉くに乱れて、星隕つること雨の如し」とある。前月に未曾有の大地震があったため、天文異変に過敏になっていたのかもしれない。彗星も出現し、「昴星と双びて行く」とある。昴星とは、すばる(おうし座にあるプレアデス星団)のこと。すばるは外来語ではなく、いくつもの星を「統べる(まとめる)」という意味の日本語である。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040165 |