【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 葉月
立秋
【りっしゅう】

二十四節気の一つ。八月八日頃。立秋とは名ばかりで、気温はぐんぐん上がる。
立秋は太陽の黄経が一三五度に達したときをいう。立秋が秋らしくないのは、旧暦と新暦のずれによるものだと思っている人がいるが、それは誤解である。暦の日付は改暦によってずれても、二十四節気はずらすことはできない。旧暦時代もやはり立秋は暑かったことに変わりはない。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行)。秋立つ日に詠んだという『古今集』に載る名歌である。古語の「驚く」は、ハッと気づくという意味である。「秋立つや何に驚く陰陽師」という蕪村の句もある。目にみえぬまでも秋はひそかにしのびよる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040155 |