【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 文月
七夕
【たなばた】

七月七日に牽牛星(彦星=わし座のアルタイル)と織女星(こと座のベガ)が、天の川を渡って会うという中国の伝説にちなむ。中国では女性が手芸に巧みになることを祈る祭事と結びつき、乞巧奠という。
タナバタとは織女の和名である棚機津女の略で、日本では七夕という字をあてた。
奈良時代に宮中行事となり、のちに民間に広まった。「文月や六日も常の夜に似ず」という芭蕉の句は、七夕前夜の雰囲気を詠んだもの。
東京では新暦七月七日に行なわれるが、この時期は梅雨明け前で、星空がみえないことが多い。全国的に有名な仙台の七夕は、月遅れの八月七日に行なわれる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040146 |