【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 文月
文月
【ふづき・ふみづき】

旧暦七月の異称。『日本書紀』ではフヅキと訓じられている(欽明元年「秋七月丙子朔己丑(あきふづきのひのえねのついたちつちのとのうしのひ)」)。
フヅキの語源ついては、稲穂が出る時節なのでホミ(穂見)月、フフミ(含み)月(含むはツボミをもつという意)など、稲作に関連づけた説のほか、秋風の立つ月という意味であるフミ(風微)月に由来するといった説がある。七月に書物を虫干ししたり、七夕に詩歌のフミ(文)を供えたりしたので、後世、文月の字があてられたとみられる。『万葉集』では七月はフミヅキと訓じられている。『万葉集』には七夕を詠んだ歌も載るので、文月という表記は、この時代からあったのかもしれない。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040145 |