【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 五月
立夏
【りっか】

二十四節気の一つで、新暦の五月六日頃。俳句の季語では、「夏立つ」「夏に入る」「夏来る」ともいう。
立夏と似たような季語に初夏がある。これは夏三か月の最初の月という意味で、旧暦では四月にあたる。立夏は二十四節気に基づく夏の始まりであり、初夏は旧暦における夏の初月である。しかし、新暦では四月が立夏に先立ってしまうので、現代俳句の初夏は五月頃の季語として使われる。明治改暦において、一月一日を立春付近に置けば、旧暦と新暦のずれの問題は起こらなかったが、一国だけ年初をずらすわけにはいかない。グレゴリオ暦の年初は、ヨーロッパの季節にもそぐわないが、今さら変えようがないのである。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040133 |