【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 卯月
花祭
【はなまつり】

四月八日に、釈尊の生誕を祝福する仏事。釈尊の誕生年は不詳だが(西暦前四六三年、前五六六年、前六二四年説がある)、仏典をもとに四月八日が誕生日とされる(二月八日説もある)。
花祭というのは明治以降の名称で、正しくは灌仏会・仏生会・降誕会という。推古一四年(六〇六年)に元興寺で行なわれたのが最初という。この日は寺の境内に、花で飾った花御堂がつくられ、甘露の産湯にみたてた甘茶(あるいは五色の香水)が誕生仏に注がれる。甘茶とは砂糖入りの茶ではなく、ユキノシタ科のアマチャやウリ科のアマチャヅルを煎じた飲料である。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040125 |