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暦の雑学事典2章 暦の歴史エピソード >

花暦
【はなごよみ】

花札に残る江戸時代の花暦

◆年、歳はもともと祭祀から生まれた文字
 「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」……中国の有名な詩の一節である。もともと年という字は穀物が実るという意味の「稔(ねん・みのる)」を表わし、歳は一年ごとに行なわれた「祭(さい・まつり)」を表わす字と考えられている。
 古代中国の殷王朝では五祀周祭と呼ばれる祭祀があり、この祭祀が一周する三五、三六旬はほぼ一年にあたるので一祀を一年とし、周王朝では収穫をもって年を数えたという。歳は年、祀よりもあとから成立した字とみられているが、やはり一年に一歳祀が行なわれたことに由来するという(白川静『字統』より)。
 周年祭や収穫祭とは関係なく、一年の推移を知らせてくれるのは気候であり、気候に応じて咲くのは四季の花々である。古く中国では年間の儀式や農事を記録した「月令(がつりょう・げつれい)」と呼ばれる自然暦がつくられ、清代になると月ごとに咲く特徴的な花を記した「花暦」も編まれた。この花暦は江戸時代の日本にも渡来し、俳諧の「歳時記」にもとりいれられるようになった。
 マツからキリまでの江戸時代の花暦は、花札としてもおなじみのものである。花札は一八世紀後半、賭博系カルタ(カブ札など)が禁止されたため、その抜け道として考案されたものというが、四季の植物に花鳥風月を配した日本独特の風雅なカルタである




日本実業出版社 (著:吉岡 安之)
「暦の雑学事典」
JLogosID : 5040036


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:吉岡 安之
価格:1,404
収録数:198
サイズ:18x13x1.8cm(-)
発売日:1999年12月
ISBN:978-4534030214

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