【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 霜月
十日夜・亥の子
【とおかんや・いのこ】

11月は収穫祭の月
立冬(一一月八日頃)には行事らしいものがないが、この日前後には、各地でさまざまな民俗行事が行なわれる。十日夜は、東日本で旧暦一〇月一〇日夜に行なわれる収穫祭。稲刈りが終わって、田の神が山に帰る日とされ、子供たちははやし歌を歌いながら、ワラの棒で地面をたたきまわる風習がある。
旧暦一〇月の亥の日に行なわれる西日本の亥の子は、十日夜に相当する収穫祭である。石やワラの棒で地面をたたく風習は亥の子突きと呼ばれ、子供たちは家々を回って亥の子餅などをもらう。亥の子餅あるいは亥の子のことを玄猪ともいう。中国の風習が日本の民俗的な収穫祭と結びついたものといわれる。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040182 |