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暦の雑学事典2章 暦の歴史エピソード >

月齢
【げつれい】

「有明の月」はいつみられるか

月の満ち欠けカレンダーの日付がわり
「みそかに月が出る」ということわざがある。新暦(グレゴリオ暦)では月末が満月の日となることは珍しくもないが、旧暦では新月(朔)は一日、満月はほぼ一五日、月末は月が籠もって隠れる日(つごもり)と決まっていた。「みそかに月が出る」というのは、「太陽が西から昇る」ことと同じくありえないことだったのである
 旧暦時代は月の満ち欠けカレンダーの日付がわりになっていたので、次のように名がつけられていた。
 新月・二日月三日月・七日月・八日月・九日月・十日余の月・十三夜月・望月・十六夜の月・立待の月・居待の月・寝待の月・宵闇の月(二十日月)・二十日余の月・二十三夜月。
◆「二十三夜講」は月待の民俗行事
 いざよい(十六夜)とは、ためらうという意味の古語「いさよふ」に由来する。今か今かと月の出を待つ落ち着かない気持ちを表わしたものだ。とはいえ月の出を待つのは月見が目的ではない。街灯もネオンサインもない昔は、日が沈むと世界は真っ暗闇となり、互いの顔も判別できず歩くこともままならなくなる。そこで天然の夜間照明である月の出をひたすら待ったである
 月齢が増すとともに月の出の時刻は次第に遅くなる。立待の月はまだ立ったまま待てるが、疲れるから座って待とうというのが居待の月、寝て待とうというのが寝待の月である。二十日月となると月の出は午後一一時頃になり、宵の間は真っ暗なので宵闇の月という。
 二十三夜月の月の出は午前〇時を過ぎる。昔は二十三夜の日に月待をする風習があった。これを二十三夜講という。集会所などに人々が集まり、月が出るまで飲食したり話に花を咲かせたりした。二十三夜月以降に月の名称がないのは、月待をする人などいない深夜にようやく昇る月だからだ。月の出が遅いと空に月が残ったまま夜が明ける。朝方の空に残る白っぽい月は、「残月」とか「有明の月」と呼ばれる。




日本実業出版社 (著:吉岡 安之)
「暦の雑学事典」
JLogosID : 5040034


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:吉岡 安之
価格:1,404
収録数:198
サイズ:18x13x1.8cm(-)
発売日:1999年12月
ISBN:978-4534030214

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