正しく書く事によって初めて考えをより明瞭に且つ確実にすることが出来る
【名言名句】
正しく書く事によ
って初めて考えをより明瞭に且つ確実にすることが出来る
【解説】
文章の達人といわれた人の言葉である。
文章を正確に書くことによって、それまでぼんやりとしていて、とりとめもなかった自分の考えがはっきりとし、確固たるものになるという。文章を書くことの効用を説いている。
評論家・保田與重郎は「紙無ケレバ、土ニ書カン。空ニモ書カン」といっている。まず書いてみよう。そうすれば、きっと何かがつかめるだろう。また、諷刺に長けた作家クライスは、「たしかに私もまた多作家である。だが抗しがたい必要にもとづいての一人である。私のところではタイプライターが過重労働の咎で苦情を申し立てたためしはない。とまれ、私の手は私の頭の注文に追いつかない。頭が手の注文に追いつかない作家たちになんと私は羨望の念を禁じ得ないことであろう!少なくとも、彼らは憩うことができる。」といっている。
【作者】志賀直哉
【生没年】1883~1971
【職業】作家
【出典】『現代文章講座の推薦文』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450616 |