ベース基礎知識 リキュール
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【カクテル手帳】 リキュールベース >
"蒸留酒に果実や花、ハーブなどで香味を付け、色素や糖類などを加えて製造した酒。古代ギリシャ時代、医聖と呼ばれたヒポクラテスがワインに薬草を溶かし込んだのが起源とされるが、現在、ワインをベースとするベルモットなどの酒はリキュールとは区別されている。蒸留酒をベースとするリキュールは13世紀頃から出現し、医師・錬金術師のアルノー・ド・ビルヌーブとラモン・ルルという人物が薬酒として造ったのが始まりとされている。
香草・薬草系
原初のリキュールは薬酒としての性格が強く、修道院で造られてきたシャルトリューズ、ベネディクティンなどは、その精神を受け継ぐ代表的なリキュールと言えるだろう。その他、ペパーミント類のリキュールや、スミレの花のバイオレットリキュール、緑茶のグリーンティーリキュールなども香草・薬草系と言える。また果実系や種子系のリキュールであっても、香草や薬草をアクセントに使用している例は多い。
果実系
オレンジの果皮を使用し、多くのカクテルの材料として欠かせないリキュールとなっているキュラソー類をはじめ、アプリコットブランデー、クレームドカシス、スロージン、ピーチリキュール、ライチリキュールなど、果実の果肉や果皮、果汁を使用したリキュールは数多い。
種子系
カカオ豆を使ったカカオリキュール、コーヒー豆を使ったコーヒーリキュールなどがある。アーモンドの風味をもつアマレットも、杏の核を使用する種子系のリキュールだ。
その他
卵やクリーム、ヨーグルトなどの乳化製品を使ったリキュールもある。アイリッシュウイスキーにクリームを加え、チョコレート、コーヒー、バニラなどで風味を付けた「ベイリーズ」、カカオとクリームを使用し濃厚なチョコレートの味を楽しめる「モーツァルト」などは、クリーム系リキュールの代表的な銘柄としてよく知られている。
なおリキュールは、個性的な風味に加え、色合いの美しさも特徴の一つ。17~18世紀のフランスでは「液体の宝石」と呼ばれ、貴婦人たちの人気を博した。リキュールの色を、身に着けたドレスや宝石の色とコーディネイトして飲むスタイルが流行していたという。
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【この辞典の書籍版説明】
「カクテル手帳」上田 和男 |
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