(株)資生堂
【しせいどう】
Shiseido Company,Limited
時に1872年。当時まだ漢方薬が全盛だった時代に、日本初の洋風調剤薬局を開業した創業者・福原有信は、その社名を「資生堂」と定めた。
この社名は中国古典『易経』の一節に由来する。六十四卦の一つ、陰が極まり陽に転化する直前の卦「坤為地(こんいち)」の運勢を述べた文中の、「至哉坤元万物資生」=「至れるかな坤元、万物資(と)りて生ず」という文ががそれだ。「大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる」という意味で、そこには、新たな文化を生み出そうとするフロンティア・スピリッツが込められているという。
その精神に違わず、資生堂は1888年、日本初の練り歯みがき「福原衛生歯磨石鹸」を発売。1897年には化粧品事業に進出し、現在も販売されている超ロングセラー商品「オイデルミン」を発売した。さらに1902年には、日本初のソーダ水や当時はまだ珍しかったアイスクリームを売る飲食店「ソーダ・ファウンテン」(現・資生堂パーラー)を開設。薬品から化粧品へ、そして周辺事業へと着々と手を広げ飛躍を遂げた資生堂は1927年に株式会社となり、その後も多くのヒット商品を生み出し続けている。
もちろんこうした開拓者精神は、現在の資生堂にも受け継がれている。同社の「企業使命」に「私たちは、多くの人々との出会いを通じて、新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造します」とあるのは、その証といえるだろう。(文中敬称略)
JLogos編集部
| Ea,Inc. (著:JLogos編集部) 「JLogos」 JLogosID : 12660193 |