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60歳からの人生を愉しむ心理学第5章 人生の後半戦は5つの「力 >

インコード、ディコードが雑談力を上げる

会話をするとき、人は自分の気持ちを表現するために「符号化」(インコード)をしています。たとえばうれしいときには笑顔を作り、相手の目を見る。相手の話に同意するときにはうなずく、不快なときには目をそらす、などさまざまな符号があります。
その符号を受け取って、相手が今どういう気持ちでいるのか解釈することを「符号解読」(ディコード)と呼びます。
そして、インコード、ディコードのどちらとも女性のほうが優れています。これもさまざまな研究がありますが、アメリカ、日本を問わず女性のほうが優れている。男性は会話の中で自分の気持ちを表現するのが女性より下手で、相手の気持ちを読むのも下手なのです。
男性にしてみたら、うれしさを表現しているつもりでも、女性から見たら、「うれしいの? どうなの?」と、さっぱりわからない場合がある。「もっとはっきり喜んで!」と思っているかもしれません。「言わなくてもわかるだろ!」と言いたいところですが、男性は言葉で言わないばかりか、符号もわかりにくいらしいのです。男性はインコード、つまり表現することに関して、自分では「やり過ぎかな」と思うくらいでちょうどいいようです。
男性が赤ちゃんや子どもと話している様子を見ると、よくわかります。「○○ちゃん、もう帰っちゃうの? おじいちゃん悲しいよ~。え~ん、え~ん」などとやっている男性を見ると、「これはだいぶインコードの得意な人だ」と思います。多くの男性は恥ずかしくてこういう会話ができません。
そして、自分のそこはかとない表現がスタンダードだと考えていますから、女性がニコニコと愛想よくふるまってくれると「俺に気がある」と勘違いしてしまう。完全に間違ったディコードです。その笑顔は、人間関係をスムーズにするためのごく普通の笑顔で、特別な好意の表現ではないのに、しばしば勘違いする。
自分の話題に、相手は本当に楽しく乗ってきているでしょうか。言葉は礼儀正しいけれど、目は笑っていない、などのインコードを注意深く読み取らないと、空気の読めない人になってしまいます。




渋谷昌三(目白大学教授)
日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授))
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 8615425


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