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60歳からの人生を愉しむ心理学第2章 「老い」へ向かう軽やかな >

長期的視野で「幸福」を目指そう

「一夜漬けの老後」はうまくいかないものですが、それではなぜ一夜漬けになってしまうのでしょうか。
多くの人は、あまり先のことにまで考えが及ばないのが普通です。現状にまあまあ満足している。「主観的幸福感」と言いますが、とりあえず今が幸せで何とかやっていければ、先のことはあまり考えなくなってしまいます。
学生時代の試験のことを考えてみましょう。試験でいい点を取れればハッピーです。赤点、0点だったら落ち込むでしょう。希望の大学に合格すればハッピー、落ちれば不幸な気分になるでしょう。
しかし、いい点を取って希望するいい大学に合格するためには勉強をする必要がありますが、勉強をするのはそれほどハッピーな気持ちになれない。それよりおいしいお菓子でも食べながら寝転んで面白いテレビを見ているほうがハッピーと感じる人が多い。
その様子を客観的に見ている親や先生が、「勉強しなさい」「勉強しないと大変なことになるよ」と助言しても、本人は目の前の楽なハッピー感を選んで勉強を先延ばしにした結果、いよいよ試験が明日に迫ると、急に明日の「ハッピーではない自分」が想像できて、あわてて一夜漬けの勉強をするということになります。
貧乏でおいしい食事も食べられない、ほしい物も買えないという人は「何とかしてこの貧乏から脱したい。そのためにはいい大学に入ろう」、または「いい仕事に就くために技術を磨こう」と、数年先のハッピー感を目指して辛い努力に耐える。いわゆる「ハングリー精神」です。
ですから現状にあまり満足していない人、仕事でさほど認められないような人ほど、仕事以外の世界に早めにシフトするのでしょう。
人生の後半戦を愉しめる人は、前半戦があまり愉しめなかった人、とも言えるかもしれません。となると、前半戦がまあまあ楽しい人・楽しかった人は要注意。
今のハッピー感を老後も持続するために、今から腰を上げて「老後への準備」をスタートさせましょう。




渋谷昌三(目白大学教授)
日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授))
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 8615393


【辞典内Top3】 人生の前半戦に強い人、後半戦に強い人  「新奇性」があると、年をとっても軽やかな人になる  フラストレーション耐性の高い人ほど老後を愉しめる  
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