【全国五つ星の手土産】北海道・東北 > 山形県
呉竹最中[小松屋]
【くれたけもなか】

日本海の荒磯の恵みを生かした
青海苔の香り豊かな翡翠色の餡
![呉竹最中[小松屋]](../img/d054/temiyage45.jpg)
かつて北前船の寄港地として栄えた日本海の港町・酒田。天保3年(1832)に創業した小松屋は、独特な青海苔入りの和菓子で知られる名店だ。日本海の荒波にもまれた青海苔は磯の香り豊か。それを白餡に練り込み、翡翠色の独特な餡を生み出した。呉竹最中は、この餡を竹の節を模した皮に挟んだ上品な最中。口に入れた瞬間、なんの風味だろうと一瞬戸惑うが、やがて納得。ほのかな青海苔の香りは嫌みがなくて清々しく、甘みは強いがさらりとした餡に上品なアクセントを与えている。ぱりっと香ばしい皮との相性もいい。
同様に、白インゲンに青海苔をたっぷり練り込んだ呉竹羊羹も、磯の香が漂い、ねっとりとして濃い緑色が特徴。正岡子規に「青幽なる色調、気品のある風味類なし」と絶賛されたという逸話が残る。竹久夢二の文章の一説にも登場し、まさに深い歴史を感じさせる一品だ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071644 |