総本家長寿庵 くり多
【そうほんけちょうじゅあん くりた】
長寿庵一門の本家
長寿庵一門は、関東を中心に暖簾会に300店以上が名を連ねる大所帯。本家は元禄15年(1702)創業の銀座竹川町にあった「竹川町長寿庵」だったが、昭和20年に閉店。一門で一番古い明治10年に暖簾分けされたこの店が総本家となった。もともと目黒駅の近くに店を構えていたが、平成19年8月に旗の台に移転。これを機に五代目・栗田秀夫さんは長女の藤子さんに六代目を譲った。藤子さんと妹のひとみさんが最初に考えたことが、「大事に作ったそばをゆっくり食べてほしい」。新しい店はインテリアや器に女性らしい感性が生かされている。
そば粉は、甘さと香りが際だつという北海道和寒産を使う。細めでつるつるとした、いかにも江戸前そばの老舗らしい麺だ。五代目が丹精込めて作るつゆは、長年愛されてきた、やや甘めの伝統の味。本節、鯖節、宗田節をブレンドしている。ひと工夫した一品料理もそろえ、そばを食べるもよし、料理と酒を楽しむもよしと、使い勝手がいい店を目指している。
| 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071273 |