【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 渋谷区
玉笑(閉店)
【たまわらい】

個性的なセンスが光る

店内には、スペインの古城をイメージしたという赤い壁と淡い色ガラスの照明器具が配され、出される器は美しい曲線を描く洗練されたものばかり。店主の並々ならぬセンスを感じる。その個性とセンスはそば作りにも通じ、平成15年オープンの新しい店ながら、あっという間にそば通の注目の的となった。
店主の浦川真洋さんは、大阪・曽根崎の老舗「瓢亭」と千葉県柏市の名店「竹やぶ」で修業。研鑽を積んだ腕を活かすために選んだのが、名品種として名高い「常陸秋そば」だ。特産地である茨城県常陸太田市(旧水府村)の農家8軒と契約し、2週間ごとに玄そばを送ってもらう。すべて手刈り、天日干しで、これを自家製粉する。条件により一部甘皮がむけずに残るものもあるが、これを挽き込んでちょうどよい荒々しさのそばになる。緑色がかったそばは、噛んだ瞬間に香りと甘みが口に広がる。自ら焼畑農法で栽培したそば粉を使ったそばがきや、西京味噌をつかった焼き味噌など、酒肴にも力を入れている。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071272 |