【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 港区
利庵
【としあん】

粗挽きの二八そば

通称〝プラチナ通り〟と呼ばれる外苑西通りの白金台交差点近くにあり、軒先を植物が覆う古風な外観が目印。店内も板張りの床、杉の木目を生かした天井、格子窓、引き出しが付いた仙台家具のテーブルとイスなど、しっとりとした和風情緒が広がっている。建物は、店主の実家が営む八百屋の倉庫として使われていた昭和33年築の木造2階建て。昭和59年にそば屋を開業するまで5年の歳月をかけ、8・5坪の店内を自分好みに改装したという。
そばは玄そばで仕入れ、年間を通じて温度と湿度が一定に保たれた低温貯蔵室に保存し、使う分だけを自家製粉して手で打つ粗挽きの二八。弾力と香りに富み、辛口のつゆとのバランスもよく、澄んだ深みのある味わいが絶妙だ。輪島塗のせいろや盆、有名作家の陶器など器も半端ではない。毎朝、主人自ら自転車で築地へ出向き、生きている魚介を買い求めるなど、すべてにおいて徹底的にこだわった、ファンの多い人気店だ。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071270 |