石臼挽き手打 蕎楽亭
【いしうすびきてうち きょうらくてい】
会津産のそば粉で打つ
神楽坂のメインストリートから南へ約150m入った閑静な場所にある。店主の長谷川健二さんはそば処である会津の出身。名人といわれた父親の打ったそばを食べて育ち、「味の感覚には自信があった」と話す。そば粉は故郷の会津柳津町で栽培されたものを農家から直接仕入れ、店内の石臼で挽く。麺はつなぎ一割とそば粉十割の2種があり、どちらも角の立った美しい中細麺。十割そばは特に香り高く、噛むごとに甘みが増す。
そば通の間でも評判の店だが、「そば道を追求するのは作る側の務め。お客さんには気楽に店を楽しんでいただきたい」と、いたって鷹揚だ。居酒屋感覚でも利用できるようにと、このわたや会津産の馬刺しなど20種類以上のつまみを揃え、飛露喜や天明など福島の地酒も豊富に置いている。そばの名店「松翁」での修業時代に感動したという天ぷらにも力を入れ、ホタテや若鮎など10種ほどあるタネは単品で注文できる。揚げたてが食べられるように、店内には長いカウンター席も設けている。
| 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071254 |