【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 豊島区
とん平
【とんぺい】

溜まり場みたいな居心地の店

店は戦後間もなくの創業。2代目の賀茂栄造さんが平成8年に他界してからは、奥さんの和枝さんが店主兼女将として店を守る。小柄で明るく愛らしい和枝さんを厨房から盛り立てるのは、3代目に当たる長男の恵さんと、とん平ひと筋40年の超ベテラン・飯泉幸三郎さんだ。
一番よく出るのはむろんロースとヒレだけれど、辛口で鳴らす某料理評論家も賞味した串かつの人気が高い。ヒレ・ねぎ・ヒレ・ねぎ・ヒレの順に刺した大串は、ねぎの甘辛みがヒレ独特の甘さをふっくらと引き立てて、クセがないのに個性的な味に仕上がっている。年輩者やダイエッターのために、個数・組み合わせ自由の一品ものをそろえている心配りもうれしい。
飲み屋でもないのに、店は毎晩閉店間近まで客で立て込んでいる。喫茶店でもないのに、なかには一人カウンターで本や新聞を読む人もちらほら。こだわりなく人が集まるのは、味はもちろん、やさしく飾らない3人の人柄にも惹かれてのことか。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070879 |