【東京五つ星の肉料理】鳥肉料理 > 墨田区
五代目 かど家
【ごだいめ かどや】

2世代の女将が仕切る老舗

世情、政情ともに慌しかった幕末の文久2年(1862)に現地に創業、以来今日まで変わらずしゃも鍋を商ってきた。岡崎から八丁味噌を携えて江戸に出た初代・渡邊弥八から降って5代目の渡邊みね子さんと、その娘の6代目・馬場英美さんが古い暖簾の店をしゃっきりと切り盛りする。板張りの広い式台や絞り丸太の床柱など、昭和25年建築当時の姿を色濃く残す店には、かつて大鵬や柏戸などの名力士も足繁く通ったという。
しゃもは産地の直営養鶏場から取り寄せる新鮮な若鶏、味噌は八丁味噌に2種類の味噌を加え、これを1時間ほど煮込んだ秘伝の一品。まずは鍋に鶏脂を引き、割下、秘伝の味噌と加えて味噌を割下でのばす。レバー、皮目を先に、次に肉、ざくの順に入れて、豆腐に色がついたころが食べごろだ。
仲居さんの「さぁ、召し上がれ」の声を合図に、煮込むほどにやわらかいしゃもにかぶりつく。味噌の匂いは馥郁と鼻に抜けて、気がつけばああ、鍋はもう空っぽじゃあないか。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070864 |
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