【東京五つ星の鰻と天麩羅】鰻の名店厳選40軒 > 中央区
竹葉亭本店
【ちくようていほんてん】

ゆかしい造りの離れが残る

慶応2年(1866)創業。しゃっきりと身ごしらえした和装の仲居さんが出迎えてくれる、端正な数寄屋造りの店だ。当初は現在の新富町にあり、山岡鉄舟道場門下生の刀預かり所を兼ねた留守居茶屋だったが、明治9年(1876)の廃刀令を機にうなぎ屋に転身、以後7代にわたって暖簾を守ってきた。
うなぎは主に愛知県西三河産と静岡県吉田町産を使用し、醤油とみりんのみで作る中辛のたれは、初代から受け継ぐ伝統の味。ほどよく蒸してから備長炭で焼いたうなぎはやわらかく、あっさりしている。陶芸家・宮永東山作のこれも端正な磁器に盛って供され、味わいはいっそう深い。
母屋の裏手には、いずれも大正13年(1924)築の座敷と茶室が建っている。建築当時と変わらぬ閑雅なたたずまいのこの2棟の離れは、会席のみの個室利用(離れは予約したほうがよい)。鰻お丼や定食、うなぎ会席膳、またそのほかの単品類は母屋のテーブル席でいただく。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京五つ星の鰻と天麩羅」 JLogosID : 14070706 |