【東京五つ星の鰻と天麩羅】鰻の名店厳選40軒 > 千代田区
なかや蒲焼店
【なかやかばやきてん】
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家族全員でタッグを組んで
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古書店が並ぶ靖国通りの南、白山通りを挟んですずらん通りにつづくさくら通り沿いのビル内に店がある。旧東海道の宿場町・原(現沼津市北西部)から明治時代中期に現在の墨田区に移転した本家の暖簾を分けて、初代が昭和21年に開業した。店は2代目主人の高木英雄さんとその次男・三男が継ぎ、一方で長男と高木さんの奥さんが浅草橋の支店を切り盛りしている。
うなぎを割くのは主に次男。三河産の活きうなぎをメインに、米はうなぎと相性のいいあきたこまちを使い、蒲焼やうな重ほか江戸前のうなぎ料理はほとんどそろう。1匹ずつ丁寧に開いたどじょうの柳川鍋も好評だ。コース料理に含まれる鰻三点盛りには、三男が作る「肝のワサビあえ」や「うなぎのぬた」などがあり、伝統の味のほか新しい工夫が花を添えている。
客の声に耳を傾け、そのさまざまな要望にできるだけ応えたいからと、テーブルにはいつもアンケート用紙が用意されている。この姿勢も、長く愛されてきた理由の一つか。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京五つ星の鰻と天麩羅」 JLogosID : 14070702 |