【東京五つ星の鰻と天麩羅】鰻の名店厳選40軒 > 文京区
江戸川 石ばし
【えどがわ いしばし】

すべてに一級を貫く店

かつて江戸川と呼ばれた神田川に架かる中之橋のたもとに、明治43年(1910)に創業。昭和20年の東京大空襲により店を焼失したため、西江戸川橋近くの現在地に移転した。空襲に耐えて残った煉瓦塀を生かした玄関周り、一部に戦前の材料を使った建物など、そのたたずまいは重ねてきた星霜を感じさせて風格がある。建物だけでなく、うなぎは静岡県吉田町産、炭は備長炭、器は椀もお重も輪島塗と、すべて一級品ばかり。
店を守るのは3代目当主の根本光昭さんと、4代目に当たる息子の和典さん。調理場に立つ父子の息はぴったりだ。焼き台の炭の火加減に合わせて、うなぎを移動させながら焼いていく手際がすばらしく、その手の動きは優雅な手踊りを思わせる。
普通なら書き入れ時の土用の丑の日は、うなぎ供養のために休むという。この日はいいうなぎが手に入りにくいことも理由の一つ。これも、うまいうなぎを追求する職人ならではのこだわりか。店はいつも満席。予約してから出かけるのがよい。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京五つ星の鰻と天麩羅」 JLogosID : 14070718 |