【旬のうまい魚を知る本】 >
▼焚火で殻ごとあぶり、海水で洗って食べるのが一番

御宿でとれるアワビは3種類。メガイとマダカ(御宿ではマタガイあるいは単にマタと呼ばれる)とクロ。ベテラン海女によると「食べておいしいのはマタ」。浜の食べ方は豪快である。もぐりから上がると浜辺で暖をとるための焚火を起こし、この焚火で殻ごとアワビをあぶる。焼けたところで殻から身を取り出し、海水でばしゃばしゃと洗ってほおばるというのだ。この食べ方を受け継いだのが、御宿の民宿で人気のある踊り焼きだ。一方、水貝という食べ方は夏向きだ。アワビの身をサイコロ状に切って氷水に浮かし、薄切りのキュウリを加える。アワビに含まれる天然の塩味がうまさを引き立てる。
御宿のアワビ漁は6月1日~9月15日。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070084 |