洋式トイレ
【ようしきといれ】
洋式トイレのフタはなぜあるのか?
和式のトイレにフタがついているのを見かけたことはないが、洋式トイレにはフタがある。実際、用を足すときには、開けたり閉じたりしなければならないし、ないほうがいいのではと思うのだが、いったい、なぜついているのだろう。大手住宅設備メーカーのTOTOによれば、洋式トイレにフタがついているのは、洋式トイレがもともと西洋から伝わったユニットバスに由来しているからだそうだ。ユニットバスには、トイレだけでなく、お風呂が同じ室内についていて、その場で身だしなみを整えたりする。そのため、鏡や洗面台なども置かれていて、化粧小物や道具などが一緒に置いてあるのが通常だ。この小物類が便器のなかに落ちないようにというのがいちばんの理由なのだという。また、着替えなどの習慣も、西洋ではユニットバスのなかでおこなうのが普通なので、ストッキングをはくときに、ちょっとイス代わりに腰掛けたり、座りながら化粧をしたりと、フタなしでは身だしなみができないというくらい必要なものなのだそうだ。その点、日本の場合、一人暮らしの場合は別だが、ある程度の広さがある家には、たいてい風呂とトイレは別になっている。別になっている場合、トイレで着替えや化粧をするという人は聞いたことがないから、本来はやはり、フタはなくてもいいのかもしれない。ただし、高速道路のサービスエリアのトイレとか、公衆トイレなどで、あらかじめフタをつけていないトイレも結構ある。理にかなっているし、本場の西洋でも実は公園などの公衆トイレなどは便器に座って身づくろいをする人がいないことから、フタなしトイレが主流となっているという。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820932 |