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雑学大全2地理 > 国・島・都市

福岡市
【ふくおかし】

市名が「福岡」になった引き替えに、駅名は「博多」に

福岡県の県庁所在地福岡市ところがJRの駅名は博多駅である。県名と県庁所在地名が異なる例は珍しくないが、中心駅の名称が違うというのは異例だ。さらに福岡市の住民、あるいは出身である人が、そのことを誇りにして自分を語るときも「博多っ子」という場合が多い。商売で成功した人は、自らを「博多商人」と称する。このような関係が生まれたのは、この町の過去の成り立ちに由来する。博多というのは、港に面したこの町の古代からの地名だ。それが、江戸時代に黒田家の領地となって福岡藩が置かれた。「福岡」は黒田氏の出身地備前の国くに(現・岡山県)福岡村にちなむ名前で、町は福岡城の城下町となったのである。それ以来、町を流れる那珂川を境に、東側を中世以来の商人の町「博多」、西側を武士の町「福岡」と呼んできた。しかし、時代を経て、明治新政府の廃藩置県に続く市制施行のとき、博多地区と福岡地区をまとめて一つの市にすることを決めた。市民となる博多地区の人と福岡地区の人は、それぞれに自分たちの地区の名の採用を希望して収拾がつかない。どちらも、中世以来の商人の伝統、もと藩主ゆかりの由緒正しさを主張して譲らない。結局、県名に合わせて市名は福岡に決まったが、駅名は博多とすることで双方が折り合ったのであるそれから一〇〇年以上の年月が流れた。両方の名を比較すると、地名として変えようのなかった博多湾をはじめ、博多人形、博多織といった特産品、博多ラーメン、博多水炊き、博多明太子などの名物、博多山笠、博多どんたくといった祭りまで、由緒より伝統のほうに分がある。名を捨てて実を取った博多商人の面目躍如だろう




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820763

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出版社:東京書籍[link]
編集:東京雑学研究会
価格:2,160
収録数:1000
サイズ:25.6x18.4x3.6cm(B5判)
発売日:2004年8月
ISBN:978-4487801305

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