ファックス
【ふぁっくす】
あの「ピー」という甲高い音は、実は国際規格
「ピー、ビルビルー、キュキュキューン」。ファックスの信号音は独特である。そもそも、あの音はいったい何の音なのだろうか。調べてみると、あの甲高い音は、ファックスが送られているかどうか確認するために必要な信号音だという。ファックスの機能周波音といい、統一された規格のもとにつくられているものなのだ。しかも、CCITTという国際電信電話諮問委員会(国際電気通信連合電気通信標準化部門)で決められたという国際的な音なのだ。つまり、世界各国の人が、ファックス電話を取ったときにはあの音を聞いているということだ。受信側に送られるあの音は、CNG(発呼トーン)といって、一一〇〇ヘルツに統一されている。「自動的に発信する」という意味を持っている信号だ。一一〇〇ヘルツの信号音を〇・五秒聞かせて三秒休むを繰り返すとあの音になるらしい。また、この音には、もう一つの大事な意味がある。それは受話器をとった人間に、「これはファックスですよ」と伝える合図である。信号を無音声にしてしまうと、「無言電話かな」と思って、切ってしまうことだってあるのだ。ちなみに、間違い電話でファックス音が流れてくる場合、つい「間違いファックスだ……」とあきらめてしまいがちだが、基本的には相手と普通につながっている状態でもあるので「間違い電話ですよ。この電話はファックスではありません!」と、受話器を取って話せば相手に聞こえるはずである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820754 |