信頼
【しんらい】
質問の仕方で信頼度を上げる心理学的秘策
「この人なら任せて大丈夫」と思わせれば、営業でも企画でも、人間関係でもうまくいく。では、そのような信頼を得るために必要なこととはなんだろう。もちろん、これは心理学的な方法の一つにしかすぎないが、紹介しよう。人は誰かに話かけられたときに、「いいえ」「違うと思います」などと否定の言葉で答えなければならないときに不快感を覚える。否定をさせる呼びかけをする人に対しては、「自分のことを理解していない」と思ってしまうからだ。このような心の構えをつくることを、心理学用語では「メンタル・セット」というが、いったん否定型のメンタル・セットをつくってしまうと、何かをいわれればいわれるほど、相手に対して不信感を抱くようになってしまう。ということは、この心理を逆手にとって、相手から信頼を得るために、まず相手が「はい」「そうですね」「その通りです」などと答えざるを得ない肯定的な質問をぶつければよい。その場合、質問内容は何でもいい。天気のことなど当たり障りのないことでもちろんよい。たとえば、営業で二回目に会うときなどに、前回に会ったときの感想やエピソードなどを取り入れて、相手が忙しそうにしていた事実があれば、「この間お会いしたときは、随分お忙しそうでしたよね。お忙しいところお時間いただいてありがとうございました」などと話してみる。すると相手は、「ええ、そうなんですよ。あの時は、○○の件と××の件がたて込んでいましてね……」と心を開いてくれる可能性が高いのである。また、一般にメンタル・セットを取り外すのにいちばん効果的なのは、相手を褒めることといわれている。この場合、相手がどう答えるかということはあまり問題ではない。たとえば、「今日のスーツとってもよくお似合いですね」などと話しかけると、相手は言葉としては「いえいえ、そんなことありませんよ」と否定するかもしれないが、内心は「このスーツ似合っているんだ。よかった」などと肯定感を十分味わっているからである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820454 |