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雑学大全2趣味 > 芸術

春画
【しゅんが】

ポルノではなく、お笑いだった!?

江戸時代に確立された風俗画「浮世絵」は、菱川師宣によって大成され、葛飾北斎、喜多川歌麿といった作者が活躍し、フランス印象派など、その後の各国の芸術家たちにも多くの影響を与えた。当時の性風俗を描いた「春画」も浮世絵の一つに数えられるが、その種のものは平安時代から存在していた。一二世紀につくられた『陽物くらべ』という絵巻が、その最も古いものだとされている。「陽物」比べ、つまり「男性器」比べである。絵巻内では男性器がかなり大きく描かれており、エロティックな感じよりも滑稽な感じが強いのが特徴だ。また、皇女と近衛兵の密通を描いた『小柴垣草子』というものがあるが、これにしてポルノグラフィというよりはゴシップとして楽しまれていたようだ。このように初期の春画は、エロティシズムを目的にしているわけではなく、性をテーマに笑いをとることを目的にしているものが多い。そうした特徴から、春画は一人でこっそり読むものではなく、皆で回し読みをして笑い、楽しむものだったと考えられている。実際に春画を回し読みして笑っていたのは、当初は公家などの上流階級が主流だった。それが僧侶、武士、町人のなかの富裕層へと広がり、最終的には一般庶民へと広がった。江戸末期に春画を「笑い絵」とも呼んだが、そこからも春画のテーマが時代を経てもなお「笑い」にあったということがわかる。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820415

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