上座・下座
【かみざ・しもざ】
丸い中華テーブルの場合、どこが上座と下座になるのか?
部屋には上座、下座と呼ばれる席がある。上座とは、目上やご年配の方の席。一般に床の間を背にした席、または床の間側奥が上座にあたる。床の間がない場合は、出入り口から向かって右手奥や、庭などの見晴らしのよい席、額や飾り物がある側を上座と考える。上座、下座を決める際に最も重要なことは、その場所がいかにくつろげるか、休まるかという点である。しかし、中国の『礼記』という書物には、左が上座と書かれてある。なぜかというと、左に心臓があるからなのだそうだ。心臓が左にあるから左手で心臓を守り、右手が働き手として仕事をするというわけである。能楽の舞台も、中国からの影響によって、神の象徴である正面の鏡板から見て、左が上座となっているのだ。座席に並んで座る場合も、座る人から見て、左側が上座、右側が下座になる。電車などの乗り物の場合は、窓側が上座で、通路側、中央の順に下座になる。進行方向を向いて座る位置の窓側が上座で通路側は下座になる。では、丸い中華テーブルに座る場合はどうなのだろうか。丸いので、上座と下座の区別がなさそうであるが、実はきちんと決まっている。席次は、入り口に近い側が下座、遠い側が上座となる。下座の招待者は、上座の主賓が席に座るまで入り口近くで待つのが一般的だ。そして、入り口からいちばん遠いところに主賓が座り、主賓の左隣が二番目、右が三番目、二番目の左隣が四番目、三番目の右隣が五番目、四番目の左隣が六番目……と続く。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820186 |