MENU
    全辞書一括検索 by JLogos

雑学大全2趣味 > 音楽

エリーゼのために
【えりーぜのために】

「テレーゼ」を読み間違えて「エリーゼ」に

ピアノ本格的に習ったことのある人でなくても、さわりぐらいは知っている名曲『エリーゼのために』。かの有名なベートーベンの作曲で、彼の死後、テレーゼ・フォン・ドロスティックという女性の蔵書のなかから彼の自筆の楽譜が発見されて、世に出ることになった。タイトルに「四月二七日、エリーゼの思い出のために、ベートーベン作」と彼自身の手で楽譜に記述があったという。しかし、歴史をたどってみると、彼の周辺にエリーゼという名前の女性はおらず、長年、謎とされていた。ところが、二〇世紀に入って、ベートーベンの筆跡研究家であるマックス・ウィンガー教授が、原稿に書かれたベートーベンの乱雑な筆跡を分析したところ、「テレーゼとも読める」という鑑定結果を出したため、これを受けて、「エリーゼのために」は「テレーゼのために」の読み間違いという説が有力になってしまった。テレーゼは実在した人物で、ベートーベンが結婚を望んだとされている、弟子のテレーゼ・マルファッティ嬢のことである。イタリア系の大地主の血筋を引いた彼女は、美しい上にのびのびとした性格で、ウィーン社交界でも評判になるほどの才媛だった。この時ベートーベンは、すでに四〇歳だったが、当時一七歳の彼女にほれ込んで猛烈なラブレターを何通も書いて求婚したという。年齢差もあってか、その恋は成就しなかったのだが、この少女テレーゼへの想いが、名曲『エリーゼのために』を生み出したのである。気難しく激しい気性であったはずのベートーベンが作曲した荘厳な数々の交響曲からは程遠い、かわいらしく美しい旋律は、恋をしているベートーベンを想像させておもしろい。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820108

この辞典の個別アプリ

雑学大全2
浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾アプリ。

【辞典内Top3】 火元責任者  手のひらを太陽に  ポンコツ  
【関連コンテンツ】

関連辞書

雑学大全 暦の雑学事典 日本史の雑学事典 道と路がわかる事典 

関連書籍

 東京書籍「雑学大全2」

出版社:東京書籍[link]
編集:東京雑学研究会
価格:2,160
収録数:1000
サイズ:25.6x18.4x3.6cm(B5判)
発売日:2004年8月
ISBN:978-4487801305

JLogosPREMIUM(100冊100万円分以上の辞書・辞典使い放題/広告表示無し)は各キャリア公式サイトから

             × 閉じる

収録辞書全リスト