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木魚の形
【東京雑学研究会編】

§眠らないと信じられていた魚
眠気をとるため音を出す仏具が、どうして魚の形なのだろう。昔は、魚は眠らないと思われていた。現在の研究によれば、どんな動物でも眠らないはずはないのだが、魚には瞼がなく、目をつむることがないので、眠らないと誤解されていたのである。
その話を聞いたお坊さんが、魚を手本にしようと思い立った。木を彫って魚の形をつくり、眠気をはらうために、それを叩くことにした。
木魚は、お寺でのお坊さんの呼び出し道具として使われることもあるが、その音色がよいので、お経のリズムを取る楽器のようなはたらきをするようになった。
眠気覚ましに発明されたはずのこの仏具が奏でる、単調なポク、ポクのリズムを聞いていると、かえって眠くなるような気もするのだが……。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670927 |