本家
【東京雑学研究会編】
§「本家」「元祖」「本舗」はどう使い分けたらよいのか?
よく商店の名前やその店の代表的な商品につけられている言葉、「本家」「元祖」「本舗」。なんだか老舗であることを自己主張しているようだ。
例えば、観光地などを訪れると、おみやげ物屋にその土地の名物と称して、御餅や和洋折衷のさまざまなお菓子が並んでいる。ある店で一つ見つけた後、二、三軒先の店でよく似たものに出会い、一体どこがどう違うのかと、戸惑った経験のある人は多いと思う。
そこで看板に目をやると、「・・本家」とか「・・元祖」、「・・本舗」と、その店の歴史と伝統と自己主張のオンパレード。中には「総本家・・」というのもある。
「本家」「元祖」「本舗」にそれほど厳然とした区別はないようであるが、一応商習慣として、使い分けられている。
本家とは、一門一族の中心である大元の家筋・家元・宗家ということで、その品を最初に売り出した店。元祖とは、最初にその品を作った人のこと。本舗とは、最初にその品を作り、同時に商品として売り出したところ。つまり、製造発売元である。
どんなに区別しようと、買い手にとっては、商品の質がよければそれでよいといいたいところだが、やっぱりわかりにくい。
これでは、商標をめぐって、「本家」と「元祖」と「本舗」が、争いをくり返した歴史が一つならずあったのも、うなずける。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670887 |