ホワイトハウス
【東京雑学研究会編】
§アメリカ大統領官邸「ホワイトハウス」はいつから白いのか?
「ホワイトハウス」はアメリカの首都ワシントンDCにあるアメリカ大統領官邸である。一七九二年の建設当時の「ホワイトハウス」は、木造二階建て、五〇室程度の小さな建物だったという。改築を重ねるうちに現在の大きさになっていったのだ。といってもこの白亜の建物は、現在でも地上四階、地下二階、東西五〇メートルと、さほど巨大ではない。
「ホワイトハウス」という名称は、当初からついていたものではない。最初は単純に「プレジデントハウス」「プレジデントパレス」「プレジデントマンション」などと呼ばれていたらしい。
大統領官邸にはじめて白いペンキが塗られたのは、第四代マディソン大統領の時代だ。それには、やむをえない事情があった。
アメリカ建国から間もない一八一四年八月、マディソンが大統領に就任していたときに、かつてより問題となっていた米国・英国間の貿易紛争が引き金となり、イギリス軍が首都ワシントンを攻撃した。イギリス軍は大統領官邸にも火を放ったために内部は焼け落ち、外側の壁は真っ黒になってしまった。そこで、修理の際に黒く焦げた跡を白いペンキできれいに塗ったため、修復後に「ホワイトハウス」と呼ばれるようになったのだ。その後も何度か火事に見舞われたが、その都度白く塗り直されたという。それでも、一角には戦争で焼けた壁の一部が残っていて、当時をしのぶことができるという。
さて、「ホワイトハウス」が公式の名称として使われるようになったのは、一九〇一年にセオドア・ルーズベルトが第二六代大統領に就任してからである。ルーズベルトが便箋に「ホワイトハウス」と印刷したのが、正式に使い始めた最初の表明だとされている。
現在の「ホワイトハウス」は一部を見学者のために公開している。アメリカの政治の中枢だけに警備は厳重だが、民主主義の国らしく、開放的なサービスではないか。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670886 |