フランス革命
【東京雑学研究会編】
§フランス革命が成功したのは赤痢のおかげだった?
フランス革命に勝利をもたらしたのは、市民の熱い思いだったが、最も大きな影響を及ぼしたのは、プロシア軍に蔓延した赤痢だった。
一七八九年に起きたフランス革命は、革命軍が国王軍を倒したことで一気に決着がついたかに思われているが、実はそうではない。市民の革命が王国を壊滅させるということは、ほかのヨーロッパの国々にとっても脅威である。マリー・アントワネットの故国であるオーストリアとプロシアの連合軍は、一七九二年にフランス革命軍と戦闘に入った。
このとき、実はフランス軍はそうそう意気軒昂だったわけではない。急遽かき集められた急造部隊で、戦争には全く不慣れな若者の集まりだったのである。
ところが、そのフランス軍を天が味方した。数日前から降り続く雨の中、濡れ鼠になっていたプロシア軍は、カビの生えたパンを食し、泥水を飲んで戦っていた。その不衛生さから、彼らは赤痢を発病したのである。
五万の兵士がいても、実際に動けるのはせいぜい一万五〇〇〇・・。戦士たちは戦いよりも病気に負けて、どんどん戦意を失っていったのだ。連合軍はとうとう降伏せざるを得なかった。
オーストリア・プロシア連合軍をこうして蹴散らしたフランス軍は勝利を手にし、革命を確かなものにしたのである。
フランスが新しい時代に突入した、いちばんの原因は連合軍の赤痢だという、歴史の裏側のエピソードである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670841 |