貧乏ゆすり
【東京雑学研究会編】
§貧乏ゆすりにはどんな心理が隠されているのか?
喫茶店で人待ち顔に貧乏ゆすりをしている人を見ると、「相当イライラしているな」とすぐにわかる。そう、貧乏ゆすりは、フラストレーションを解消しようとする心理がとらせる行動だ。
また会議の席で、貧乏ゆすりをする人もいる。退屈しているのならわかるが、手は資料に書き込みをしながら、視線は発言者のほうにきちんと向け、内容にうなずいたり首をかしげたりと集中しているようで、これはどうみてもフラストレーションとは無縁のように感じる。
しかし、このときの貧乏ゆすりも、「何かいいアイディアが浮かびそうなのに、出てこないな」とイライラして脳に刺激を与えて思考を促進させようとしている姿と考えられなくもない。同じように、怒りを覚えているのに物や人にあたれないとき、自分にあたってしまって出る貧乏ゆすりもある。
いずれにしても、貧乏ゆすりはどこか心に不満を抱えているときに出るもので、自分がイライラしていれば、電車の隣の座席の人の貧乏ゆすりにイライラさせられるように、他人にも不快感を与える。
貧乏ゆすりの癖がある人には、テレビを見ていてもしょっちゅうチャンネルをかえるとか、飲みに行ってもすぐに別の店に移動してはしご酒になるというような行動が、日常に見られるはずだ。一つのことに一心不乱になっているとき、貧乏ゆすりは出ないものだ。何か熱中できるものを見つけると、この悪癖は直るだろう。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670808 |