トンネル①
【東京雑学研究会編】
§鉄道のトンネルには前と後ろがある?
山の多い日本の国土を走る鉄道には、いたるところにトンネルがある。特に上越新幹線や山陽新幹線は、ほとんどがトンネルばかりで、車窓の景色を期待して乗った旅好きの人たちには、評判がよくないそうだ。比較的新しい路線は、特に街中を避け、山の中を通ることになる。
ほとんどの人は気にかけないだろうが、気になる人はいるものである。トンネルの入り口と出口についての疑問だ。どちらが入り口で、どちらが出口なのか? 実は、はっきり決まっているのである。
鉄道には路線ごとに、起点と終点が決められている。例えば、東海道本線なら、起点は東京で、終点は神戸である。また、山陽本線では、起点は神戸で、終点は門司となる。
そこでトンネルについては、その路線の起点に近い方が入り口、終点に近い方が出口となっている。ということは、東海道本線では、東京に近い方が入り口で、終点の神戸に近い方が出口になる。
では、博多発の新幹線で東京に向かうとき、何十ものトンネルを通り抜けることになるが、そのたびに列車は、出口から入って入り口から出ることをくり返している。なんとも奇妙なことだが、鉄道管理上の決まりごとなので仕方がない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670703 |