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世界遺産
【東京雑学研究会編】

§「世界遺産」はどのように決められているのか?

一九九二(平成四)年以来、よく「世界遺産」という言葉を耳にするようになった。そして、世界の文化遺産としてローマ歴史地区(イタリア)や万里の長城(中国)、アンコール遺跡(カンボジア)など、また、自然遺産としてキリマンジャロ国立公園(タンザニア)やグレート・バリア・リーフ(オーストラリア)などの写真・映像を見る機会が多くなった。
一九七二(昭和四七)年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、世界の文化遺産・自然遺産を損傷や破壊から守り、人類全体の遺産として存するための条約を採択し、日本は一九九二年(平成四)年に、この条約の締約国になった。締約国のうちの二一か国で構成する世界遺産委員会は「世界遺産一覧表」を作成する。「世界遺産」とは、明らかに普遍的価値があると認められて、この表に記載される遺産のことをいう。
一九九三(平成五)年から二〇〇四(平成一六)年にかけて、日本の文化遺産・自然遺産も、一二件が「一覧表」に記載された。法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、姫路城、古都京都(宇治・大津も含む)の文化財、白川郷・五箇山の合掌造り集落、原爆ドーム厳島神社、日光の社寺、琉球王国のグスクおよび関連遺跡群、屋久島、白神山地、紀伊山地の霊場と参詣道がそれである。
世界遺産一覧表」への登録には締約国自身が推薦し、国際記念物遺跡会議や国際自然保護連合の専門家の評価を受け、その上で委員会が登録の可否を決める。二〇〇四(平成一六)年七月までに登録された件数は、七八八にのぼった。
締約国は、世界遺産基金を分担する。そして、保存のために援助が必要な遺産については、この基金から費用が拠出される。全ての人間が世界遺産を人類の証と心得て、未来に残すために理解し、協力することが必要なのだ。
ちなみに、世界遺産の考え方が生まれたのは、ナイル川のアスワン・ハイ・ダムの建設で、水没の危機にさらされたヌビア遺跡群(エジプトのアブ・シンベル神殿など)を救うことがきっかけだった。ユネスコの呼びかけで遺跡の移築に成功し、また一方でユネスコの「人間と生物圏計画」が、自然保護運動の機運を高めたことも功を奏したのだった。




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全」
JLogosID : 12670527

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編集:東京雑学研究会
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