数学の記号①
【東京雑学研究会編】
§数学の「+、−、×、÷」の記号ははたして世界共通なのか?
数学は万国共通だというのが一般的な考え方である。確かに海外の数学の本を見ても、足すときは「+」だし、引き算は「-」である。呼び方は「たす」だったり「プラス」だったりと違いはあるが、その記号が示す意味は海外に行っても同じである。
というのが当然のはずなのだが、実は数学の世界にも例外がちゃんと存在しているのである。
確かに「+、-、×」、さらに「=」も万国共通の記号なのだが、問題は「÷」。実はこの記号を使っているのは、日本以外ではアメリカとイギリスぐらいなのである。
「÷」は一六世紀のドイツの数学者が考案したもので、割り算を分数で表したもの。上下の「・」が分子と分母を表しているとされている。また、割り算を記号で表したものの横棒に、引き算の「-」と区別するために「・」を上下につけたという説もある。
だが、考案したのがドイツ人だというのに、現代のドイツでこの記号が使われることはほとんどなく、「:」を使うケースが大半。フランスやイタリアなども「:」が主流だし、あとの国にいたっては、割り算は分数の形で表すのが一般的で、「÷」記号なんて全く知らないという人が実に多いのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670497 |