コンドーム②
【東京雑学研究会編】
§コンドームの品質管理はどれほど厳しいのか?
もはや、つけていないより感じるともいうほど薄く進化した日本製コンドームは世界中で愛用されている。エイズの流行も、開発をプッシュしたようだ。
どんなに薄くても、わずかな穴も許されないのがコンドームの宿命といえる。コンドームには、どれだけ厳しい品質管理がなされているのだろうか。
主にマレーシア産の天然ゴムラテックスを原材料とするコンドームの成型ラインは、ほぼ自動化されている。ラテックスとはゴムの木から採取する牛乳のような白い樹液のことで、ゴムの細かい粒子が液体の中に分散している。
いくつもの薬品を配合して強度を増した原液は、つららのようなガラス製の張り型に付着して成型されていく。成型されたゴムを張り型から剥離し、脱水から乾燥、口巻(縁につける輪ゴム状のもの)加工の仕上げ処理をすればでき上がり。
この段階ではまだゼリーが塗られていないので、表面はさらさらしている。ここから、人手のかかるいくつもの厳重な検査の始まりだ。
最初に抜き取り検査で強度、耐久性を幅広くテストされた後、全数検査に入る。
まずは、外観検査とピンホール検査。人間の目でチェックし、棒状の電極に被せたコンドームを電解質水溶液に浸して調べる。完全なゴム膜は電気を通さないという性質を利用した検査で、電気が通らなければ合格。巻き上げられて、次の検査に向かう。
続く二次検査には、内と外に一%の食塩水を入れて電極で確認する電気試験、中に水を入れ、吸水紙の上を転がして確認する水漏れ試験、破裂するまでの空気の量と破裂したときの内部空気圧を測定する破裂試験などがある。
こうした厳しい検査を通過して、立派に役目が果たせると認められたコンドームだけが、包装されて出荷、ということになる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670363 |