コンタクト
【東京雑学研究会編】
§カラーコンタクトをしたら視界に色がつくのか?
サングラスをかけると、視界がレンズの色に染まって見える。カラーコンタクトをつけても、ああなるのだろうか?
お洒落のためか、黒目が真っ青や真っ黄色に見えるほど、色の濃いカラーコンタクトをつけている人がいる。
だが、心配はご無用である。人間の黒目の中心には、直径五~五・二ミリメートルほどの瞳孔という穴があり、光は、ここを通って眼球の後部に達する。つまり、光を感じるのは、この部分だけなのである。だから、瞳孔の部分さえ素通しであれば、視界には色はつかない。
カラーコンタクトは、レンズの全体に色がついているわけではない。瞳孔の部分は無色透明で、色がついているのは、その周囲の虹彩の部分だけなのである。
虹彩は、眼球の前面にある円盤状の膜で、伸縮して瞳孔の大きさを変化させながら、網膜に達する光の量を加減し、焦点深度の調節を行っている。
鏡で、自分の目をアップで見てみると、黒い瞳孔と、それを取り巻く茶褐色の虹彩がわかるだろう(西洋人は、虹彩の部分が灰~青色の人が多い)。カラーコンタクトをしている人の目も、瞳孔の部分だけは地のままの色である。虹彩には、放射状の紋理がついているが、カラーコンタクトは、これをもうまく形づくってある。
なお、人間の瞳孔は、夜間や暗いところでは、自動的に大きくなる。これを、「生理的散瞳」というのだが、このとき、カラーコンタクトの瞳孔部分よりも大きくなると、光の量がうまく加減できなくなって、視界に違和感を感じることがある。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670361 |